大阪公大、鉄鋼の表面硬化処理の炭素・窒素と合金元素の結合の仕組みを解明
大阪公立大学(大阪公大)は、計12種類の合金元素がそれぞれ炭素や窒素とどのように相互作用するのかについて理論計算した結果、チタンが特定の場所に配置する時に窒素や炭素と結びつき、鉄が硬化することが確認されたほか、鉄原子より大きい元素でないと結合しないことを解析データで示したことを発表した。
東北大、和紙を原料とした高機能・高生分解性の低環境負荷な複合材料を開発
東北大学は、宮城県川崎町の伝統工芸品である手漉き和紙と、生分解性プラスチック(PBS)からなる新しい複合材料(グリーンコンポジット)を提案・設計。試作に成功し、力学・物理特性と生分解性を明らかにしたと発表した。
能登半島地震では4つの海底活断層が動いていた 地震調査委が新見解
政府の地震調査委員会は13日、1月1日に起きた能登半島地震について半島沖の4つの海底活断層が動いた可能性が高いとの新たな見解を示した。産業技術総合研究所(産総研)の調査で最大4メートルの海底隆起が観測されたことから活断層の動きが分かったという。調査委は半島周辺で今後も強い揺れや津波を伴う地震が起きる可能性があり、注意が必要としている。
東大など、金属並みの熱伝導率と電気絶縁性を兼ね備えたゴムシートを開発
東京大学(東大)と産業技術総合研究所(産総研)は、「窒化ホウ素(BN)フィラー」と、環動高分子の「ポリロタキサン」(PR)を複合化し、金属のように熱を通す絶縁体のゴムシートを開発したことを共同で発表した。
東大、生成AIを用いて画像中の秘匿したい部分を代替えする加工技術を開発
東京大学(東大)は、画像中の個人の特定などにつながるプライバシー関連の情報を秘匿しつつも、元の画像の見た目と内容の両方を維持する新たな加工手法として、生成AIを用いて、秘匿したい箇所だけを類似の生成画像に部分的に置き換える「生成的コンテンツ置換」(GCR)法を開発したと発表した。
米国政府が中国製EVの関税を4倍に引き上げ、中国製半導体の関税も2倍に引き上げ
米国政府は5月14日(米国時間)、中国製電気自動車(EV)に対して、現状の4倍となる100%の関税を課すこと、ならびに中国製半導体や太陽電池に従来の2倍の関税を課すことを発表した。
シャープの堺工場の生産停止で2025年にはテレビ用パネルは500万枚の供給減へ、TrendForce予測
シャープが堺工場の第10世代パネルラインの生産停止決定を踏まえ、TrendForceが2025年のテレビ用液晶パネル供給量は全体の2%に相当する500万枚近く減少するとの予測を公開した。
IBM、量子ソフトウェア「Qiskit」を拡張 - 複雑な量子回路を実行可能に
米IBMは5月15日(現地時間)、世界的に採用されている量子ソフトウェアであるQiskitの進化と拡張について発表した。
Synspectiveなど、海外都市部の沈下モニタリングサービス実現へ戦略的連携
Synspectiveは、オリエンタルコンサルタンツグローバル、地圏環境テクノロジーとの間で、海外の都市部における沈下のモニタリング・コンサルティングサービスに関する連携を開始したと発表した。
RapidusとEsperanto、2nmプロセスでのAI半導体製造に向けたMOUを締結
RapidusとEsperanto Technologyは5月15日、協力覚書(MOU)を締結し、Rapidusの2nmプロセスを利用してEsperantoの第3世代AI半導体の製造を行う意向を明らかにした。
VLSIシンポジウム2024プレビュー 第7回 デジタル回路/医用生体回路/データコンバータ回路分野の注目論文
VLSIシンポジウム 2024における回路部門の注目論文の中から、デジタル回路、医用生体回路、データコンバータ回路分野の3件の注目論文を紹介したい。
絶縁型スイッチモード電源におけるフォワードコンバータとフライバックコンバータの選択方法
本稿は、アプリケーションに適した絶縁トポロジーを選択する方法を明確に理解することを目的として絶縁型スイッチモード電源(SMPS)について詳しく説明します。
東レなど、CO2削減と経済性を両立するフィルム包装材を国際共同開発
東レなどは共同で、リサイクル性と印刷プロセスにおけるCO2削減を実現し、経済性との両立が可能な表刷りモノマテリアルフィルム包装材技術を開発したことを発表した。
日本人に特有の発がん要因を発見! - 国がんなどが国際研究の成果を発表
国立がん研究センター(国がん)と東京大学は、腎細胞がん962症例の全ゲノム解析から発がん要因の解析を行った結果、日本人の腎細胞がんの7割に、他国ではほとんど見られない未知の発がん要因が存在することが判明したと共同で発表した。
スパコン速度、米「フロンティア」5連覇 「富岳」は4位を維持
スーパーコンピューターの計算速度の世界ランキング「TOP(トップ)500」が発表され、米オークリッジ国立研究所の「フロンティア」が前回昨年11月に続きトップとなり、5連覇を果たした。同機は2022年5月、史上初めて毎秒100京回(京は1兆の1万倍)を意味する「エクサ級」を達成している。前回、2位から4位に後退した理化学研究所の「富岳(ふがく)」は、4位を維持した。
明大、温泉紅藻「シゾン」を用いた高効率なL型乳酸の生産技術を開発
明治大学は、有用物質「乳酸」のうちのL型乳酸を、微細藻類の一種「シゾン」が他の微細藻類よりも効率的に生産することを発見したと発表した。
琉球大、サンゴの精子に存在する基質の多くが他の動物と共通すると確認
琉球大学は、サンゴの精子に存在するタンパク質の中から、「プロテイン キナーゼ A」によりリン酸化される基質の候補を選別し、それらの共通性と遺伝子進化を検証した結果、多くが動物に共通していたことが推定できたと発表した。
東大など、物性物理における量子コンピュータの量子優位性達成条件を解明
東京大学、NTT、大阪大学の3者は、「量子誤り訂正」機能を備えた量子コンピュータが、物性物理分野で、古典コンピュータを凌駕する量子優位性を達成するための条件を解明したと発表した。
OKI、Plug and Playとパートナーシップ契約を締結し技術探索を始動
OKIは、Plug and Playとの間でエコシステムプラス・パートナーシップ契約を締結し、5月よりオープンイノベーション活動を開始したことを発表した。
旭化成、カナダのリチウムイオン電池向けセパレータ工場の建設予定地を発表
旭化成は5月15日、2024年4月25日に公表したカナダにおけるリチウムイオン電池用湿式セパレータ「ハイポア」の製膜・塗工一貫工場の建設計画の続報として、建設地がオンタリオ州ポートコルボーン市であることを発表した。
米国政府、サンケン電気子会社のPolar SemiconductorにCHIPS法による補助金支給を決定
米国商務省は5月13日(米国時間)、CHIPS and Science法(CHIPS法)に基づいてサンケン電気の米国子会社Polar Semiconductorに最大1億2000万ドルの補助金を支給することを決定したと発表した。
ホンダ×IBM、SDV実現に向けて次世代半導体・ソフトウェア技術を共同研究開発
米IBMとHondaは5月14日(現地時間)、将来的なSDV(ソフトウェアデファインドビークル)の実現に向けて、次世代半導体・ソフトウェア技術の長期的な共同研究開発に関する覚書を締結した。
VLSIシンポジウム2024プレビュー 第6回 プロセッサ/AI半導体/メモリアーキテクチャ分野の注目論文
VLSIシンポジウム 2024における回路部門の注目論文の中から、プロセッサ分野、アクセラレータ分野、メモリ回路アーキテクチャ分野の3件の注目論文を紹介したい。
どこでもサイエンス 第284回 巨大黒点、太陽フレア、そしてオーロラ
2024年5月10日から12日にかけて、「巨大黒点」、「太陽フレア」、そして「オーロラ」が話題になりました。この3つの現象は、太陽-地球間、1億5000万kmの距離を隔ててリンクしています。
シャープ、堺工場における液晶ディスプレイパネル生産停止を決定
シャープは5月14日、第10世代のディスプレイパネル工場である堺ディスプレイプロダクト(SDP)における液晶ディスプレイパネルの生産停止を決定したことを発表した。
東北大サイエンスパーク構想が本格始動 - 新愛称は「MICHINOOOK」に
東北大学と三井不動産は、「東北大学サイエンスパーク構想」を本格始動し、その愛称を「MICHINOOOK(ミチノーク)」としたことを発表した。
VLSIシンポジウム2024プレビュー 第5回 回路部門への応募件数は542件で採択率は25%、東工大とキヤノンが注目論文に選定
VLSIシンポジウム 2024における回路部門には、例年は300件ほどの応募であるが、今回は異例ともいえる542件もの応募があった。採択件数は138件で、採択率は25%と例年の3割台よりもさらに狭き門となった。
火星の有機分子は一酸化炭素から光化学的に生成された、東工大が解明
東京工業大学(東工大)は、火星の堆積物中に含まれる有機物が、同惑星の大気中の一酸化炭素(CO)から生成されたものである証拠を提示したと発表した。
電通大など、アシスト中に透明になるリハビリテーション用のロボットを開発
電気通信大学(電通大)と国際電気通信基礎技術研究所(ATR)は、リハビリテーションロボットの「機械的な透明性」(動的透明性)をアシスト中に向上させる革新的な手法を開発したことを共同で発表した。
TSMC、Ansysのマルチフィジックスプラットフォームを2nm向け技術として認定
Ansysは、同社のマルチフィジックスプラットフォームが、TSMCより同社の2nmプロセス(N2)の量産リリース向けパワーインテグリティプラットフォーム認証を取得したことを発表した。
AnsysとTSMC、光学とフォトニクス向けマルチフィジックスプラットフォームで協業
Ansysは、TSMCの最先端Silicon Photonics(SiPh)集積システムとCo-Packaged Opticsのプラットフォーム「Compact Universal Photonic Engines(COUPE)」向けマルチフィジックスソフトウェアに関する協業を発表した。
東工大、PaCS-MDシミュレーションを容易に実行できるツールキットを公開
東京工業大学(東工大)は、長時間現象を短時間の計算で観察できる「並列カスケード選択分子動力学(PaCS-MD)シミュレーション」を容易に実行できるツールキット「PaCS-Toolkit」を開発し、公開したことを発表した。
京大など、数十年確認できなかった「らせん型超伝導」の証拠を遂に発見
京都大学(京大)と科学技術振興機構(JST)は、3種類の希土類化合物を積層構造させた「三色人工超格子」において、提案されてから長らく確認されていなかった「らせん型超伝導」状態が実現している証拠を発見したと共同で発表した。
Micron、32GビットDRAMダイベースの128GB DDR5 RDIMMの出荷を開始
Micron Technologyは、モノリシック32GビットDRAMダイベースの128GB DDR5 RDIMMメモリの検証を終え、出荷を開始したことを発表した。
DNPがPPベースの自動車用加飾フィルムを量産化 - リサイクル促進に貢献
大日本印刷(DNP)は、リサイクルに貢献するポリプロピレン(PP)をベースとした自動車用加飾フィルムの量産技術を確立したと発表した。
ElevationSpace、宇宙から物資を持ち帰る回収カプセルの着水衝撃試験に成功
ElevationSpaceは、宇宙環境利用・回収プラットフォーム「ELS-R」の初号機「あおば」の回収カプセルについて着水衝撃試験を実施し、成功したことを発表した。
太陽HDが技術開発センターを新設! 仕事が楽しくなる空間設計を採用
太陽ホールディングス(太陽HD)は、埼玉県嵐山町(らんざんまち)にある嵐山事業所にて同事業所内に新たに開設した技術開発センター「InnoValley(イノヴァリー)」についての記者発表会ならびに見学会を開催した。
太陽系でリンが多い理由は新星爆発による可能性、国立天文台が発表
国立天文台(NAOJ)は、地球型生命に必須な元素の1つであるリンが太陽系に多い理由として、太陽系が誕生する前の80億年前のころに多かったタイプの「新星爆発」から生み出された可能性があることを発表した。
信大、ロボットがヒトの繊細な動作を実現できる高性能ハイテクセンサを開発
信州大学(信大)は、エレクトロスピニング技術を使って異なるサイズを持つポリフッ化ビニリデン(PVDF)/ドーパミン(DA)ナノファイバー膜と、超極細PVDF/DAナノファイバーを用いて、高い圧電性能と広い圧力範囲を持った柔軟な「圧電ナノファイバーセンサ」の開発に成功したことを発表した。
筑波大、デバイスの電位変化をピコ秒の高時間分解能で計測する新手法を開発
筑波大学は5月10日、走査電子顕微鏡(SEM)とフェムト秒レーザーを組み合わせ、デバイス材料内の電位変化を高い時間分解能で計測する新手法を開発。43ピコ秒の時間分解能でSEM画像として観察することに成功したと発表した。
東大と阪大、自ら作りだす細胞内の熱が神経再生の鍵であることを発見
東京大学(東大)と大阪大学(阪大)の両者は、神経発達と再生における重要なプロセスである神経分化のメカニズムについて、細胞内の温度変化がどのように関与するのか研究した結果、神経細胞内の自発的な発熱が神経分化における形態変化を駆動していることを発見したと共同で発表した。
JEITA半導体部会、国際競争力強化に向けた半導体戦略提言書2024年版を公開
電子情報技術産業協会(JEITA)半導体部会は2024年5月14日、経済産業省と文部科学省に対して、「国際競争力強化を実現するための半導体戦略 2024年版」と題する提言書を提出した。
NVIDIAの台湾でのAI研究開発センター設置計画を台湾政府が認める、台湾メディア報道
NVIDIAが台湾に「AI研究開発センター」を設置する計画であることを、台湾政府経済部(日本の経済産業省に相当)産業技術局の邱求慧局 局長が台湾メディアに出演し、これまでの交渉の経緯などを説明した。
2023年ファブレス半導体売上高ランキング、NVIDIAが初の首位に TrendForce調べ
TrendForceが5月9日、2023年のファブレス半導体企業売上高ランキングトップ10を発表した。それによると、ファブレス半導体企業上位10社の売上高は前年比12%増の約1676億ドルとなったという。
どこでもサイエンス 第283回 ガリレオはどうやって食っていたのか?
科学の父といわれるガリレオ。イタリアが生んだ天才ですな。彼の業績は振り子の等時性や、天体望遠鏡による月のクレーターや木星の衛星の発見など多数ですが、彼はどうやって食べていたのか、調べてみました。
2024年6月版スパコンランキングTOP500が発表、米国の「Frontier」が5連覇を達成
世界のスーパーコンピュータ(スパコン)に関するランキングの2024年6月版(第63回)「TOP500」が5月13日(独時間)、独ハンブルグにて開催中のHPCに関する国際会議「ISC High Performance 2024(ISC 2024)」に併せる形で発表された。
SiTime、AIデータセンター向けMEMSベースのクロックジェネレータ「Chorus」を発表
SiTimeの日本法人であるSiTime Japanは5月13日、AIデータセンター向けクロックジェネレータとしてMEMSベースのクロック・システム・オンチップ(ClkSoC)となる「Chorus(コーラス)ファミリー」を発表した。
「循環」の視点から考える未来の暮らし方(片岡 万柚子)
こんにちは!科学コミュニケーターの片岡です! みなさんは、「循環(じゅんかん)」という言葉を聞いたことはありますか?モノが一回りして、もとに戻ること。また、それを繰り返すことです。...
TSMCの2024年4月売上高、前年同月比6割増の2360億NTドルで4月の過去最高額を更新
TSMCは5月10日、2024年4月の連結売上高を発表した。それによると売上高は前年同月比59.6%増、前月比20.9%増の2360億NTドルとなり、4月としての過去最高額を更新したという。
SMICの2024年第1四半期売上高は前年同期比2割増も純利益は7割減、中国内向け比率は8割に増加
SMICは5月9日、2024年第1四半期(1~3月期)の決算概要を発表した。それによると売上高は前年同期比19.7%増の17億5018万ドルだったが、純利益は同69%減の7179万ドルとしている。